会社設立手続き中の資本金について。

こんにちは、行政書士の高です。

会社設立のご相談で、

「資本金は、どれぐらいの期間使えませんか?」

というご質問をたまにいただきます。

これは、会社設立時の資本金は、できるだけ多くしておきたいけど、仕入れ等への支払いがあり、資本金を使えない期間が長いとその支払い時期がきたときに、支払うことができないという問題があるからです。 

会社設立の手続きの中で資本金に注目した場合の手続きは、次のような流れになります。

※ 発起設立の場合

①個人(株主)の通帳に資本金を振り込み、通帳のコピーを取る

(通帳のコピーは、会社設立の登記の際に法務局へ提出します)

    ↓

②会社設立の登記が完了

    ↓

③会社のメイン銀行にする銀行にて口座開設=個人の通帳から資本金を移動

 

上記の手続きにかかる期間は、スムーズに手続きをおこなえば、2週間前後で終わります。

ただ、会社名・役員構成・資本金の額等会社の基本事項の決定・印鑑証明書の取得・定款の作成・登記書類の作成などの作業をおこなっていると、全ての手続きが終わるのに、1ヶ月ほどかかることも少なくありません。

この場合は、①~③の間で支払いをおこなっても、③の時点で①で振り込んだ額と同額の資本金を用意して、対応することもできます。ただし、会社財産を危うくしますので、結局は、会社設立の際の資本金を現金でおこなう場合には、会社設立中の取引先への支払い+会社の資本金の現金を用意しておく必要があります。

現金を用意することが難しいようであれば、現物出資をおこなうという方法もあります。 

 

 

一方、上記に関連して、会社設立の際の資本金を多く見せたいため、他人から足りない分を借りて設立する場合、見せ金といいますが、この見せ金については、会社法では罰則がありませんが、公正証書原本不実記載という罪に問われる可能性がありますので、安易に見せ金によって資本金を計上して設立することがないようにしてください。

 

また、見せ金とよく似たものに、預合いというものがあります。預合いとは、発起人または取締役個人が払込取扱機関から借入れをし、これを株式払込金として会社の預金口座に振り替え、帳簿上あたかも株式の払込が適法に行われたかのような形をつくるとともに、その借入金を返済するまでは預金を引き出さないことを払込取扱銀行に約することをいいます。 預合いを認めると、資本金を事業活動に使うことができず、資本がないのと同じです。このことから、会社法では、預合いをした発起人・取締役・金融機関の代表は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金又は両方の罰則を課すとしています。

 

資本金は、ある程度多くしておきたいというお気持ちはわかりますが、売上をあげて、増資をしていく形で地道にふやしていく形もできますので、一時的な資本金の額にこだわらないほうがよいかなと思います。

 

 

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